今回は、アメリカのイラン戦争がFXの為替レートにあたえる影響について、くわしくまとめていきます。
いよいよオリンピックイヤーを迎え、日本経済にも大きな動きが期待されそうな2020年ですが、年明け早々に世界経済を揺るがすような大きなニュースが飛び込んできました。
それが、アメリカによるイラン革命防衛隊のカセム・ソレイマニ司令官殺害です。
もしも、今後戦争に発展するようなことがあれば、米ドルのみならず、FX取引全体に大きな影響が出てくることはまぬがれないでしょう。
では、実際にアメリカとイランが戦争を行う可能性はあるのでしょうか?
そして、もし開戦したとしたら、その場合は米ドル円にどのような値動きが見られるのでしょうか?
ここではそれらの予想について、過去の事例をふまえつつ、分かりやすく説明していきたいと思います。
- アメリカとイランの戦争は現時点では可能性が低い
- 現在の米ドル円は値動きが落ち着いている
- 過去の戦争では不安時に円が多く買われ安定時にドルが買い戻される
- イラン戦争がはじまったら米ドル円は下落の可能性が高い
- さまざまな予想を立てて戦争時の戦略にそなえよう
この記事を読んで、ぜひ今後の戦争時のFXの戦略に役立ててみてください!
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Contents
アメリカとイランが戦争する可能性
現在、アメリカとイランの間で緊張が高まり、国際的にも注目が集まっています。
今後、両者の衝突が戦争にまで発展する可能性はあるのでしょうか?
アメリカとイランの対立の背景
もともと、アメリカとイランの間には、これまで40年間にわたり激しく対立してきたという歴史があります。
その大本となっているのが、1953年にクーデターによってイランに誕生した親米政権です。
これには、原油の利権をめぐってアメリカのCIAがかかわっていたとされ、その体制に長い間不満をつのらせてきたイラン国民は、ついに1978年イラン革命によって現在のイスラム国家を樹立させるにいたります。
さらにその直後、デモ隊によるアメリカの大使館占拠事件が起こったことで、両者の対立は決定的なものとなりました。
その後、21世紀に入るとイランの核開発疑惑が持ち上がり、アメリカは他国への天然資源の輸出を規制するというよりきびしい経済制裁措置をくわえ、対立はますます激しいものとなっていきます。
2015年にはオバマ政権下で、欧米各国とイランの間での核合意にいたり、核開発を制限することを条件に経済制裁も解除されて、いったんは関係改善のきざしも見られました。
ところが、2018年5月にトランプ大統領は核合意からの一方的な離脱を宣言、ふたたび経済制裁とともに軍事展開による圧力も行われるようになります。
これに対し、イランも核開発を再開、さらに2019年にはアメリカのドローンを撃墜、さらにホルムズ海峡タンカー攻撃やサウジアラビアの石油施設攻撃などへの関与もうたがわれ、両者の間でふたたび緊張が高まっていました。
ソレイマニ司令官の殺害をめぐる報復

このような状況下で起こったのが、今回のソレイマニ司令官の殺害です。
ソレイマニ司令官は、シリアやイラクでの虐殺行為や、さまざまな破壊工作にもたずさわり、欧米諸国にとっては危険なテロリストとしてあつかわれていました。
一方で、イラン国内では実質的なナンバー2といわれ、なおかつISから国を守った英雄としてもよく知られていた人物でした。
そのため、この事件をめぐって両者の間で一触即発の雰囲気がただよってきたわけです。
イランの最高指導者ハメネイ師は激しい報復の宣言を行い、一方、トランプ大統領も報復があった場合には、イランの施設に対して攻撃を行うことを示唆しました。
そんななか、事件から5日後の1月8日、イランからイラク駐留アメリカ軍に対して、ミサイルの発射が行われました。
戦争に発展する可能性は低い?

ところが、イランによる報復攻撃では、アメリカ軍側にほとんど被害はなく、負傷者および死亡者はゼロでした。
これについては、数時間前に兵士がすべて移動する様子などが報告され、事前にイランから警告がなされていたのではないか、などさまざまな憶測が流れています。
いずれにしても、イランのザリフ外相はこれで報復の終了を示唆し、これ以上の戦争に拡大することは望んでいないとの発言を行いました。
トランプ大統領もイランの抑制的な行動を認め、依然として核保有は認めないものの、新しい核合意をむすべきだとの柔軟な姿勢もうかがわせました。
この両者の対応をふまえて、現段階では一応のところ戦争の可能性は回避された格好となっています。
このような結果になったことには、両国ともに内政問題もかかわっているのではないかと考えられています。
まず、アメリカでは年内にトランプ大統領が大統領選をひかえているため、そちらに集中したいという理由があります。
一方、イランではもともとハメネイ師が軍事力の圧倒的な差を認め、戦争は行わないという方針であること。
さらに、1月8日に起こったウクライナ旅客機墜落事故が、じつはイラン革命防衛隊による誤射だったと明るみになったことで、それをめぐって反政府デモが起こるなどの混乱が生じていることも理由と考えられています。
ただし、あくまで対立の火種は残ったままで、両者ともに内政問題から目をそらすために戦争を利用するといった可能性もあり、今後も注意して成り行きを見守っていく必要がありそうです。
【FX】現在の米ドル円の為替推移
それでは、実際にソレイマニ司令官殺害が起こったことで、米ドル円にはどのような動きが見られたのでしょうか。
なかでも、投資家がリスクに対してどのようなアクションを取るかに注目して、見てみましょう。
1月3日〜6日
アメリカ国防総省によって、ソレイマニ司令官殺害が発表されたのが日本時間で1月3日のことです。
この日は、日本円と外国通貨の組み合わせであるクロス円が全面安、つまり円が買われる展開となり、為替は円高に動きました。
全体的に円が変われる動きになった
なかでも、米ドル円は年末の急落による108.648円からさらに下げて、108.111円を記録しています。
さらに、1月4日から5日にかけて両国の指導者による報復の表明などが行われたことを受けて、1月6日には今年最安値となる107.770円を記録しています。
このように、日本円は投資家からは安全通貨とみなされているため、政情不安などが高まってくるとより購入されやすい傾向にあります。
1月8日
1月8日には、イランによるアメリカ軍への報復攻撃が行われました。
しかし、この日はふたたび米ドル円が109円台にまで回復する反発を見せています。
もう少しくわしく、1日のなかでの動きを見ていきましょう。
まず、東京時間では8時ごろにその報道を受け、107.065円まで急落しています。
しかし、アメリカ側には大きな被害がなかったことや、イラン側の冷静な声明などが報道されると、11時台にはふたたび108円に回復します。
その後、正午過ぎにイランでのウクライナ航空機墜落が報じられたことで、ふたたび108.16円まで下がりますが、事故だったという結果(当時)を受けて、最終的には109.134円まで大きく上昇しています。
このように、戦争のリスクが回避されたと判断されたことで、投資家がふたたび米ドルを買い戻している様子がよくうかがえます。
1月9日〜
1月9日以降も上昇トレンドは続き、1月14日にはとうとう2019年5月以来となる1米ドル=110円台を記録するまで上昇を見せています。
ここまで大きく反発した背景には、戦争の可能性が低くなったことにくわえ、結果的にアメリカにとってのメリットが大きい結果となったことで、より米ドルが高く評価されたのだということが考えられます。
さらに、イランの内政がデモなどで不安定になっていることもあり、今後はしばらくこの傾向が維持されていく可能性が高いでしょう。
ただし、ふたたび緊張が高まったときには急落する可能性が高いので、注意深く見守っていくことが必要です。
【FX】これまでの戦争時の米ドル円為替値動き
それでは、過去に同じような状況で戦争が起こったさいには、米ドル円にどのような動きが見られたのでしょうか。
近年、アメリカが中東地域でかかわった戦争には、おもに以下の3例があります。
- イラク戦争(2003)
- アフガニスタン戦争(2001)
- 湾岸戦争(1991)
それぞれ、くわしく見ていきましょう。
事例①:2003年のイラク戦争
イラク戦争は、イラクが大量破壊兵器を保有している疑いがあるとして、アメリカを中心とする有志連合軍によって行われた軍事介入です。
2003年3月20日に首都バクダッドへの空爆が開始され、同年5月1日に大規模戦闘終結宣言が出されるまで、約2ヶ月間の戦闘が続きました。
結果的にフセイン政権は崩壊、イラクではアメリカを中心とした占領政策が行われることとなりましたが、大量破壊兵器は見つからず、むしろテロが激化するなどの混乱をまねいてしまいました。
米ドル円の動きについては、開戦が宣言された3月19日には、前日まで118円台だった米ドル円が一気に120円台まで上昇しています。
その後もおおむね120円台で推移したのち、大規模戦闘終結宣言が出されると、反対に5月6日からは下落がはじまり116円台まで下がっています。
戦争開始後にドル高となっているのは矛盾しているように思えるかもしれませんが、実際には2002年にジョージ・W・ブッシュ大統領がイラクを「悪の枢軸」と名指しするなど、アメリカとイラクの間の緊張はそれ以前から高まっていました。
米ドル円も、戦争突入の不安が現実味をおびてきた2002年12月ごろからは、それまでの125円台から大きく下落をはじめています。
戦闘開始後に価格が回復したのは、むしろ戦争の早期終了による解決への期待感が高まったためだと考えられるわけです。
事例②:2001年のアフガニスタン戦争
アフガニスタン戦争は、2001年9月11日にアメリカを直撃した同時多発テロが発端となっています。
その首謀者と見られるアルカイーダおよび指導者のオサマ・ビンラディンの引き渡しにターリバーン政権が応じなかったため、アメリカを中心とする有志連合軍とアフガニスタンの北部同盟が、それを理由にアフガニスタンへと侵攻を開始しました。
- アメリカで同時多発テロが発生
- アフガニスタン側がテロリストに引き渡しに応じない姿勢
- 米国によるアフガニスタン侵攻が開始
2001年10月7日から空爆が開始され、11月13日に北部同盟が首都カブールを制圧するまで、約1ヶ月間にわたって戦闘が続きました。
いわゆる「対テロ戦争」のはじまりでもあり、その後2004年には新たにアフガニスタン・イスラム共和国が成立しますが、ターリバーンによる反抗は今も続いていて、政情は不安定のままとなっています。
開戦時の2001年10月のチャートを見てみると、侵攻がはじまった7日以降も特に米ドル円には大きな動きが見られないまま、120円台で推移しています。
その後、じわじわと上昇が進んでいき、16日には121円台、22日には122円台、さらに23日には124円台まで値上がりを見せます。
このような動きとなった背景には、そもそも戦争の理由となった同時多発テロによって、米ドル円が120円台から一時115円台まで急落していたことにあります。
つまり、テロに対する不安が開戦によってむしろおさまると期待され、米ドル円が少しずつ買い戻されていったと考えられるわけです。
事例③:1991年の湾岸戦争
湾岸戦争は、イラクが隣国のクウェートを侵攻したことを理由に、アメリカを中心とする多国籍軍によって行われた軍事介入です。
1991年1月17日に空爆が開始され、2月27日にはクウェート市が解放され、翌日に戦闘が終結しました。
この結果、イラクは大量破壊兵器の破棄などを義務付けられることとなりますが、その査察に非協力的な態度を見せ、さらに再軍備を進めていったことで、アメリカとの間でふたたび緊張が高まっていくこととなります。
イラクがクウェート侵攻をはじめた1990年8月の米ドル円の動きを見てみると、それまで150円台だった米ドル円が大きく下がりはじめていることが分かります。
開戦前日の1991年1月16日までに136円台まで落ち込み、さらに空爆開始によって一気に133円台まで急落しています。
その後も下落トレンドは続き、18日には132円台、22日には131円台、さらに2月7日には127円台まで落ち込んでしまいます。
しかし、戦闘終結が近づく2月15日になると130円台に回復、25日には開戦時の133円台まで戻り、集結宣言以降の3月からは大きく上昇がはじまって、3月末には140円台まで記録しています。
このように、湾岸戦争では比較的オーソドックスに、開戦がはじまると米ドル円が下落して、終結すると上昇するという動きが見られました。
アメリカとイラン戦争時の為替シナリオ
それでは、過去の戦争時の米ドル円の値動きを参考にして、今回のアメリカとイランの戦争を考えてみましょう。
それぞれ、米ドル円が上昇するケースと下落するケースについて見てみます。
①米ドル円が大きく上昇する可能性

過去の戦争では、開戦時に米ドル円が上昇するケースが2つ見られました。
ただしこの場合、イラク戦争やアフガニスタン戦争のように、むしろ戦争前のほうが不安や緊張感が高まっていて、開戦によってそれが解消されるだろうという期待が見られることが前提となっています。
その点、今回のアメリカとイランの戦争についてはどうでしょうか。
イランは中東ではもっとも軍事力が強く、なおかつ中国やロシアといったアメリカのライバルである大国との関係も良好です。
さらに、核開発の可能性も考えられるため、アメリカにとってもこれまでのように簡単に戦闘終結まで持っていける相手であるかは不透明です。
また、中東ではアメリカ対イランの構図にしたがっている国が多く、それに巻き込まれる形で地域全体が大きく混乱する可能性も考えらます。
これらのポイントをふまえると、開戦によって米ドル円が大きく上昇するという可能性はあまりないと考えられるでしょう。
- 現在の国際関係を考えると米ドルが上昇する可能性が低い
- ただし、戦争が終結後に関して言えば、上昇する可能性は高い
一方で、戦闘終結後には大きな上昇を見せる可能性が高いので、そのタイミングにも注目しておく必要があります。
②米ドル円が開戦後に下落する可能性

基本的に、政情の不安定などでリスクが高まると、その回避先として日本円は全面的に買われやすい展開となります。
過去の例を見てみても、米ドル円が上昇する結果となったイラク戦争やアフガニスタン戦争でも、その値上がり幅自体はそれほど大きくはありません。
したがって、今回も開戦後にはまず米ドル円は下落すると見ておいたほうがよいでしょう。
特に、ソレイマニ司令官殺害のように、アメリカやイラクが予想外の攻撃などを行った場合には、より大きく下落しやすくなります。
一方で、何度も衝突が起こって緊張や不安が長引いてくると、開戦による解決を望むような形になってくるので、逆に上昇する可能性にも気をつけておきたいところです。
アメリカとイランの戦争時に備えてどこに投資すべき?

アメリカとイランの戦争がはじまった場合、リスク回避先として日本円が多く買われる展開が予想されます。
ただし、円と海外通貨の組み合わせにはさまざまな種類があるので、そのなかでも特にどの通貨ペアが大きな動きを見せるか考えておく必要があります。
たとえば、戦争がはじまった場合にもっとも考えられるリスクが、イランからの原油の供給不足です。
なかでも、近年では新興国のトルコや南アフリカが、その経済成長にともない原油の輸入量を大幅に増加していることが目立っています。
両国はともにイランとの関係も深く、特にトルコはアメリカの禁輸措置にはしたがわず、イランからの原油輸入を継続することを明言しています。
その影響もあって、今回のソレイマニ司令官殺害後のレートを見てみると、どちらのクロス円も当日に大きく下落したあと、戦争回避の可能性が高まった8日には回復する、といった動きを見せています。
したがって、アメリカとイランの戦争時にそなえては、これら2国のクロス円に注目しておくとよいでしょう。
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アメリカとイランの戦争まとめ

ここまで、アメリカのイラン戦争がFXの為替レートにあたえる影響についてまとめてきましたが、いかがだったでしょうか。
現段階では戦争のリスクは避けられたようですが、この先どうなっていくかはまだまだ予断をゆるしません。
基本的には、開戦時には米ドル円が下落して、終結時には上昇することが予想されるので、それにそなえて戦略を立てておくとよいでしょう。
ただし、値動きには戦争のほかにも、経済情勢や金利政策など、さまざまな要因が絡み合ってくるものです。
一方向だけの予想に頼りきるのではなく、かならずいくつかの可能性をシミュレーションして、そのうえで自分はどのような戦略を取っていくかが重要になります。
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