今回は、「円安はいつまで続くのか?」についてまとめていきます。
円安が進行し、連日のように経済ニュースを賑わせています。
FXに少しでも興味があれば、「これはチャンスかも?」と気になっている方も多いでしょう。
とはいえ、いつまたトレンドが変化するのか分からないのが、FX取引の難しいところ。
本当に今がそのチャンスなのか、それとも見送るべきタイミングなのか?
この記事では、そんな現在の円安について徹底的に分析、この流れがいつまで続くのか予想・見通しを立ててみたので、詳しく紹介していきたいと思います!
- 円安は年内いっぱい続く可能性もあるが徐々に収束気味
- 日本経済の低迷と日米の金利差拡大が主要因
- 2024年3月に日銀はマイナス金利を解除
- 2024年4月に34年ぶりとなる155円台を突破
- FRBは段階的利上げサイクルを終了
- ウクライナ戦争の長期化で原油価格高騰も長引く?
- 円安でFXを始めるならDMM FXがおすすめ!
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Contents
【2024年4月】ドル円が155円台を突破
2024年4月には、ドル円相場が155円台を突破したことが大きな話題になっています。
4月10日以前は152円台の手前で停滞していましたが、4月10日の米消費者物価指数を受け大きく上昇し153円台に突入します。
消費者物価指数(CPI)の上昇率が市場予想を上回ったことで、早期利下げの見通しが弱まっており、一気に米ドル買いが進行しました。
4月25日時点でも上昇は続き、155円まで上昇している状況です。
日銀はマイナス金利を解除していますが、まだ高金利状態は続くとの見方から、日米の金利差が継続すると考えられ、米ドル高・円安が続いています。
FOMCでは5会合連続の据え置き
2024年3月21日にはFOMCがありました。
FOMCでは金利の据え置きとなっており、5.25~5.50%の高金利が維持されています。
まだアメリカではインフレの懸念があるので、利下げに対しては慎重な方針であると考えて良いでしょう。
すでに利上げサイクルは終了し年内の利下げが予想されていますが、年内利下げは3回と徐々に下げていく方針となっています。
利下げのタイミングが遅くなる=しばらくは高金利状態が続くとの見通しから、まだ米ドル高は強い相場が続いています。
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日銀がマイナス金利を解除
2024年3月19日には、日銀がマイナス金利を解除しました。
2020年のコロナショックや、2022年のロシアのウクライナ侵攻の影響で、世界各国ではインフレが続いていました。
各国では利上げを実施してインフレを抑制する中、日本では異例の低金利政策を続けていたのです。
しかし、2023年後半から徐々に株高などの影響で企業の賃上げが進み、賃金の上昇に伴い物価が安定的に2%上昇する見通しであると判断されマイナス金利の解除に踏み切りました。
円安は継続中
2024年3月にマイナス金利の解除となりましたが、現在のUSDJPY相場を見るとまだ高値圏での推移が続いています。
- マイナス金利解除は確実視されておりサプライズ感がなかった
- 当面は追加利上げがないとの見通し
- 各国との金利差は拡大した状態が続くとの判断
市場ではマイナス金利解除が確実視されていたので、市場の反応は冷ややかであったと言えるでしょう。
また、各国のような大幅利上げではないので、当面は金利差の大きい状態が続くと判断され、再度円安が加速した状態です。
円安はいつまで続くの?
2022年に入ってから急速に円安が進んでいますが、このトレンドはいつまで続くのでしょうか?
さまざまな要因から分析していくと、少なくとも2024年前半まではこの状況が続いていく可能性があります。
米ドル/円の価格は、2023年に入り徐々に下落しましたが、アメリカは利上げを進めたことで再度円安が加速しました。
円安の背景
現在、大幅な円安となっている背景にはいくつかの要因があると考えられます。
なかでも重要となるのが、以下の3つのポイントです。
- 日本経済の低迷
- 金利差の拡大
- ウクライナや中東情勢の影響
それぞれ、どのようなかたちで円安に結びついているのか見ていきましょう。
日本経済の低迷
2022年は欧米を中心に世界中で経済の正常化が進み、多くの国がGDP成長率をコロナ以前の水準にまで回復しました。
一方、日本は2020〜2022年の成長率が先進国で唯一のマイナスとなり、貿易収支でも前年8月から9ヵ月連続で赤字を記録するなど、経済回復の遅れが目立ち、それが円安の大きな原因となっています。
対米ドルでの円安はもちろん、2022年6月にはユーロに対しても6年ぶりとなる140円台の安値を付けました。
さらに、ウクライナへの侵攻をきっかけに暴落したロシアルーブルに対しても、戦争前の1.5円台より大幅な下落となる2円台前半を記録するなど、まさに円の「ひとり負け」といった全面安の状況が続いています。
コロナからの経済回復の遅れで「円のひとり負け」に!
金利差の拡大
2022年に入ってから、日米間での政策金利に大きな差が開き始め、それも円安の大きな要因となっています。
アメリカのFRB(連邦準備理事会)は2020年3月に、コロナ感染拡大による緊急経済対策で0.25%まで金利を下げていましたが、景気回復にともないインフレが進行、それを抑えるために2022年3月から再び利上げへと転じました。
その後の11・12月の2会合でも連続で利上げを行い、2023年12月現在で5.50%とゼロ金利政策を解除しています。
一方、日本ではコロナ以前の2016年からアベノミクスの一環として日銀がマイナス金利政策を導入しており、現在までそれを継続しています。
さらに、2022年8月、2023年2月にはパウエル米FRB議長が利上げ継続を示唆したこともあり、さらなるドル高が続いた要因です。
FX取引では、通貨ペアのうち政策金利が高い方の国の通貨を保有していると、その差に応じて日毎にスワップポイントによる利益が得られます。
そのため、金利差が開けば開くほど、より米ドルが多く買われ、日本円が売られる展開となっていくわけです。
FRBの利上げでスワップポイントに有利なドル買いが進んだ!
戦争の影響
2022年2月24日から始まったロシアによるウクライナ侵攻も、現在の円安に影響を与えています。
基本的に、戦争などで政情が不安定になると、市場ではリスクを避け(リスクオフ)、安定した米ドルに資金が流れやすくなるという傾向があります。
日本円もかつては金融危機などのリスクオフに強いという性質がありましたが、今回はそのような傾向は見られません。
また、欧米を中心にロシアへの経済制裁で原油の禁輸措置が取られ、エネルギー資源価格が高騰、それが世界的なインフレを招き、アメリカの利上げにもつながっています。
一方、資源の乏しい日本ではエネルギー資源のほとんどを海外からの輸入に依存していたため、価格高騰が貿易赤字を生む原因にもなっています。
現在は、イスラム系組織ハマスとイスラエルの戦争も始まっていますが、中東情勢の悪化はさらなる物価高も懸念されています。
資源価格の高騰による世界的なインフレがドル高・円安に影響!
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円安・ドル高の今後の予想・見通し
それでは、今後の円安・ドル高はどのようなかたちで展開していくと考えられるのでしょうか?
以下の5つの視点から、その予想・見通しを紹介していきます。
- FRBの利下げタイミングはいつ?
- 日銀の金利政策はどうなる?
- アメリカ経済の好調は続く?
- 原油価格の高騰は収まる?
これから米ドル/円を取引しようという方は、ぜひ参考にしてみてください。
予想・見通し①:FRBの利下げタイミングはいつ?
2022年から大幅な利上げを実施してきたFRBですが、2024年3月現在は利上げサイクルの終了したとされています。
逆に、ここからさらにインフレが加速するような状況になれば、高金利状態が維持されるこことでの、ドル高・円安が加速する可能性もあります。
FRBはタカ派姿勢を崩しておらず、今後も高金利状態が進む見通しです。
消費者物価指数は、毎月15日前後の日本時間午後22時半(夏時間21時半)に発表されるので、市場の予想もふくめ必ずチェックしておきましょう。
FRBは年高金利維持が基本路線!ただし消費者物価指数の動きには注意!
予想・見通し②:日銀の金融政策
コロナからの景気回復にともなう世界的なインフレに対し、アメリカをはじめ多くの国では金融政策の正常化に乗り出していました。
ECB(欧州中央銀行)も利上げに踏み切り、いよいよマイナス金利を実施しているのは日本のみとなりましたが、日本でも2024年にマイナス金利の解除に踏み切りました。
2022年の4月以降は、消費者物価指数の上昇率が日銀が目標とする2%以上の水準を推移しています。
賃金と物価の好循環が判断された形ですが、各国のような大幅利上げではなく小幅の利上げとなったため、市場の反応は冷ややかです。
今後は追加利上げが注目されていますが、マイナス金利解除となりつつも、低金利は維持される見通しです。
予想・見通し③:アメリカ経済にも不安材料?
アメリカではコロナからの景気回復となった2021年以降、株価が史上最高値を次々と更新するなど、好調な経済が現在のドル高を支えています。
しかし、2022年5月にはS&P500、ナスダック総合などの主要な株価が年初来の安値を更新、NYダウは90年ぶりの8週連続下落となり、その勢いにもやや陰りが見られます。
5月にはほかにも、ミシガン大学消費者信頼感が前月から急低下、ウォルマートなどの小売り大手が利益予想を下方修正するなど、個人消費の先行きにも懸念が見られます。
また、内需拡大による輸入増で1-3月期の実質GDP成長率は予想外の前期比マイナスを記録、ドル高そのものによる輸出への悪影響も心配されるところです。
経済指標はあいかわらず堅調なため、すぐに景気後退となるようなことはなさそうですが、局所的な経済の停滞で、円安にもストップがかかる場面が出てくるかもしれません。
また、金利の引き上げは物価上昇を抑える代わりに、経済の後退要因になりやすくなります。
アメリカ経済の停滞で円安が一時的に抑えられるケースも!
予想・見通し④:原油価格の高騰はさらに長引く
原油価格の高騰については、原因となっているロシアのウクライナ侵攻が3ヵ月以上経った今も終息の気配すら見えていません。
5月30日には、ロシア産原油の最大の輸出先だったEUも禁輸措置を決定、仮に戦争が終結したとしてもただちに制裁が解かれることはなく、原油高も長期に渡って続く可能性が高いでしょう。
また、現在は中東情勢も悪化しており、さらなる原油高があり得ます。
供給不足を解消するため、西側諸国の要請でOPECプラスが7・8月の増産幅拡大に合意しましたが、相場に大きな影響を与えることはなく、原油価格は9月現在も1バレル=120米ドル超の高値で推移しています。
ほかに価格高騰を抑える有効な手立てもなく、原油高はかなり長期に渡って日本経済の悩みの種となっていくでしょう。
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円安を利用して稼げる?
円安というと、日本円の価値が下がることなので、稼げるというイメージが湧きにくいかもしれません。
しかし、FXというのは2ヵ国の通貨を交換していく取引なので、一方が安くなればもう一方は必ず高くなる、たとえば「米ドル/円」の通貨ペアなら円安=ドル高となり、米ドルを買うことで稼ぐことができるようになるわけです。
もちろん、ここから日本円が反発して上昇する展開になれば、今度は「米ドルを売る」=「日本円を買う」ことで、利益を上げられることになります。
FX取引では、通貨ペアを「米ドル/円」のように左右に並べて表記します。
この場合、「購入」と「売却」はそれぞれ以下のような意味になります。
- 「米ドル/円」を購入→米ドルを円で買う→米ドルを保有
- 「米ドル/円」を売却→米ドルを円で売る→日本円を保有
このルールはすべての通貨ペアに当てはまるので、覚えておきましょう。
このように、FX取引ではある通貨の価格が上昇していても下落していても、どちらの局面でも稼ぐチャンスがあることになります。
今回の円安のように、一方向に強いトレンドが出ている場合はより稼ぎやすくなるので、初心者の方もぜひこの機会にチャレンジしてみてください!
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スワップポイントも、米ドル/円の買いポジションなら2024年4月現在で10,000通貨あたり1日201円と高水準。
米ドルの場合、今後も利上げでスワップポイントが高くなっていく可能性が高いので、より大きな利益も期待できるでしょう!
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円安・ドル高まとめ
ここまで、「円安はいつまで続くのか?」についてまとめてきました。
2022年3月から急速に進んだ円安は、2022年10月に1米ドル=150円台を突破しました。
そして、2024年4月には34年ぶりとなる153円台を突破しています。
その背景には、日本経済の低迷や日米間の金利差拡大があると考えられますが、いずれも近いうちに解消される見込みはなく、少なくとも2024年内いっぱいは円安の流れが続くと見てよさそうです。
ほかにも、アメリカ経済やウクライナ戦争、中東情勢など不透明な要素も関わってくるため、一時的な上下の波はあるかもしれませんが、まずは153円台のラインを超えるかどうかをうかがいながらトレードを進めていくとよいでしょう。
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