今回は、「国内のMT5業者の選び方」についてくわしくまとめていきます。
世界でもっとも多くのトレーダーが利用しているという、FXの取引プラットフォーム「MetaTrader4(MT4)」。
その性能や機能をさらに向上させた次世代バージョンが、「MT5」です。
MT5では、MT4よりはるかに高速な取引、細かい分析も行うことができるようになり、これまで以上に強力なサポートとなってくれるでしょう。
ここでは、そんなMT5を使える国内業者を紹介、さらにその選び方やおすすめランキング、気になるQ&Aについても解説していきたいと思います!
- MT5は64bit対応の次世代ツール
- 国内でMT5を使えるサービスは3社のみ
- スプレッドで選ぶなら「OANDA JAPAN」
- 通貨ペアの種類で選ぶなら「アヴァトレード」
- OANDA JAPANでは無料インジケーターもプレゼント
- MT5を近日導入予定の外為ファイネストにも注目
2021年4月現在、MT5を利用するなら「OANDA JAPAN」か「アヴァトレード」がおすすめです。
それぞれに、通貨ペアの種類が多い、スプレッドが狭い、などといった特長があるので、自分のトレードスタイルに合った方を選んでみてください。
OANDA JAPANではデモトレードも用意されているので、まずはそちらから使い心地をためしてみましょう!
MT5を使える国内業者一覧

まずは2021年4月現在、MT4が使える国内FX業者の一覧を見てみましょう。
業者 | 通貨ペア | スプレッド | 最低取引単位 | デモトレード |
アヴァトレード | 55種類 | 固定0.4銭 | 1,000通貨 | MT4のみ |
OANDA JAPAN | 28種類 | 0.3〜0.9銭 | 10,000通貨 | あり |
フィリップ証券 | 24種類 | 変動制 | 1,000通貨 | あり |
外為ファイネスト | 30種類 | 変動制 | 1,000通貨 | MT4のみ |
OANDA JAPANは「追加オプション口座(東京サーバー)」、外為ファイネストは「MT4・ZERO口座」での比較となります。
また、スプレッドは現時点での米ドル円を参考としています。
こうして見てみると、「通貨ペアの種類」ではアヴァトレードが、「スプレッド」ではOANDA JAPANが、もっとも優位となっていることが分かります。
また、スプレッドには原則固定制と変動制、取引通貨単位には1,000通貨と1万通貨の2パターンがあることも見てとれます。
ただし、たとえばOANDA JAPANでは選んだ口座タイプによって、通貨ペアの種類とスプレッドがアヴァトレードと逆転してしまうケースもあるので、よりくわしいサービス内容に目を通しておくことも大切です。
なお、外為ファイネストはMT5を近日リリース予定のため、ここではあくまで参考としてMT4のサービス内容を掲載しました。
MT5業者の選び方
実際にMT5業者を選ぶ際に、注目しておくべきポイントについて解説します。
特に気をつけてほしいのが、以下の5点です。
- 通貨ペアの種類
- スプレッドの幅
- 約定力の高さ
- 最低取引単位の大きさ
- デモトレードの有無
通貨ペア

取引通貨ペアの種類の多さは、そのまま戦略の広がりにつながります。
基本的に、米ドルやユーロ、日本円といったメジャー通貨の組み合わせはどのFX業者でも取りそろえているので、注目すべきはマイナー通貨です。
特に、スワップポイントを稼ぎやすいトルコリラや南アフリカランドなどの新興国通貨がどれぐらいそろっているかは、事前にチェックしておきましょう。
その点でいうと、55種類ともっとも取引通貨ペアが多く、イスラエルシェケルやチリペソなどのかなりマイナーな通貨まであつかっているアヴァトレードが有利といえるでしょう。
スプレッド

スプレッドは狭ければ狭いほど、取引コストを軽減することができます。
基本的には、固定制の方がスプレッドが広がるリスクも低く、あらかじめコスト計算もしやすいのでおすすめです。
ただし、あくまで原則固定なので、流動性の低い早朝や、相場が急変しやすい重要経済指標の発表前後などには、スプレッドが広がる可能性もあります。
その点は、実際にトレードをしてみて、広がりやすさなどを確認しておく必要もあるでしょう。
約定力

FX取引をするうえでは、約定力も重要なポイントとなります。
約定力が低いと、相場が急変したときなどに価格がずれて、思わぬ損失をまねいてしまうこともあります。
特に、MT5は高速で取引できることが最大のメリットなので、その性能を十分に活かすには、約定力の高さが欠かせません。
その点では、これまで数々の受賞歴があり、約定のスピードでも評価の高いOANDA JAPANが有利といえるでしょう。
取引単位

FX取引では、一度に取引できる最低取引単位が決められています。
基本的に取引単位が小さいほど少額資金からでも参加しやすく、また柔軟な運用をしやすくなるのでおすすめです。
その点でいえば、今回紹介したMT5業者のなかでは1,000通貨単位のアヴァトレードがよいでしょう。
また、外為ファイネストもMT4で1,000通貨単位の運用となっているため、MT5のリリース後もその設定が引き継がれる可能性が高いと思われます。
デモトレード

デモトレードは、実際の相場をもとに取引のシミュレーションを体験できるサービスです。
実際の操作や取引の雰囲気などに慣れていくうえでもとても役立ちます。
特に、MT5ははじめて使用するという人が多いと思うので、まずは本番前にデモトレードで十分に練習しておくのをおすすめします。
今回紹介した業者にはすべてデモトレードが用意されていますが、MT5を使用できるのはOANDA JAPANとフィリップ証券の2社となっています。
おすすめのMT5業者ランキング
ここからは、国内のMT5業者をランキング形式で紹介していきます。
くわしいサービス内容についても、ぜひ確認してみてください。
OANDA JAPAN

おすすめ度 | |
使いやすさ | A |
安全性 | A |
通貨ペア | 28種類(東京サーバー) |
スプレッド(米ドル円) | 0.3~0.8銭(東京サーバー) |
最低取引単位 | 1万通貨(東京サーバー) |
デモトレード(MT5) | あり |
「OANDA JAPAN」は、2020年1月13日からMT5をリリースしています。
もともと、国内FXでは数少ないMT4業者として知られ、そのサービス内容には定評がありました。
なかでも、OANDA JAPANオリジナルのインジケーター26種類を集めた「OANDA(オアンダ)ラボ MT5用ベーシックパッケージ」 の無料ダウンロードは、MT5をはじめるううえでとても役立つでしょう。
取引スペックも優秀で、スプレッドは国内FX最狭水準。
世界中のOANDAユーザーの取引状況をグラフでひと目でチェックできる「オーダーブック」が使えるのも、特色のひとつとなっています。
独自のVPS(仮想専用サーバー)サービスも提供しているので、MT5で自動売買を行うには最適な環境といえるでしょう。
アヴァトレード

おすすめ度 | |
使いやすさ | A- |
安全性 | A |
通貨ペア | 55種類 |
スプレッド(米ドル円) | 原則固定0.4円 |
最低取引単位 | 1,000通貨 |
デモトレード(MT5) | なし(MT4のみ) |
アヴァトレードは、国内では他社に先がけてもっとも早くMT5をリリースしたFX業者です。
通貨ペアは55種類とマイナー通貨まで幅広く取りそろえ、スプレッドも原則固定で使いやすくなっています。
最低取引単位が1,000通貨と、少額資金からはじめられるのもうれしいポイント。
オートチャーティスト機能を利用すれば、特定のチャートパターンを示している通貨ペアを自動検出してくれるのも便利です。
フィリップ証券

おすすめ度 | |
使いやすさ | B |
安全性 | A |
通貨ペア | 24種類 |
スプレッド(米ドル円) | 変動制 |
最低取引単位 | 1,000通貨 |
デモトレード(MT5) | あり |
「フィリップ証券」はシンガポールに基点を置き、アジア中心にサービスを展開しているFX業者です。
2020年12月から日本にも進出し、MT5によるサービス提供を開始しました。
FX以外にも、CFDや日本株・外国株、先物、投資信託、外国債券と多彩な金融商品を取りあつかっているので、より幅広い投資を考えている人にはおすすめです。
公式サイトには、FXの基礎知識をひととおりまとめた「初心者コンテンツ」もあり、はじめての人でもスムーズに取引に入ることができるでしょう。
なお、スプレッドは変動制で、重要経済指標の発表時などには広がりやすくなるので注意が必要です。
外為ファイネスト

おすすめ度 | |
使いやすさ | A- |
安全性 | A |
通貨ペア | 30種類 |
スプレッド(米ドル円) | 変動制 |
最低取引単位 | 1,000通貨 |
デモトレード(MT5) | なし(MT4のみ) |
「外為ファイネスト」は、香港に拠点を置くHantecグループの日本法人です。
国内FX業者としては、これまでMT4対応の「MT4・ZERO口座」を中心にサービスを展開してきました。
2020年9月にMT5のリリースを発表したものの、現時点ではまだサービスは開始されておらず、その動向が注目されています。
スキャルピング公認のFX業者でもあるので、高速取引が可能となるMT5では、よりその威力を発揮しやすくなるでしょう。
なお、「MT4・ZERO口座」はMT5導入にともないサービス終了の予定となっています。
\スプレッド最狭水準!/
MT5業者に関するQ%A
最後に、MT5業者の基本的な知識についてQ&A形式で解説していきます。
ここまで気になった点があれば、チェックしていってください。
MT4よりもMT5の方が性能がよい?

MT5は、64bitのCPUに対応して開発されたツールです。
そのため、シングルコアのPCが主流の時代に開発されたMT4とくらべ、マルチコアのパワー活かした段違いの動作スピードを実現できるようになっています。
もうひとつの特徴としてあげられるのが、以下のように9種類から21種類に増えたチャートの時間軸です。
- 1分足・2分足・3分足・4分足・5分足・6分足・10分足・12分足・15分足・20分足・30分足
- 1時間足・2時間足・3時間足・4時間足・6時間足・8時間足・12時間足
- 日足・週足・月足
※太字が追加された時間軸
これにより、よりくわしい独自の分析が可能となるでしょう。
ほかにも、「気配値ウィンドウ」にあらたな項目がくわえられたり、通貨ペアを簡単に検索で探せるようになったりと、随所で使いやすさが向上しています。
そしてもうひとつ、バックテストの所要時間が短くなり、複数の通貨を同時に5つまでテストできるようになったのも大きな変化です。
さらに、オーダーの遅延を考慮に入れた検証や、フォワードテスト機能も追加されたことで、よりリアルの市場に近いシミュレーションを行うことができるようになりました。

MT4のインジケーターやEAはそのまま使える?

MT4を利用していると、普段からよく使っているお気に入りのインジケーターやEAなどがある人も多いと思います。
しかし、MT4とMT5ではそれぞれ別のプログラム言語を用いているため、そのまま同じものを使うことはできません。
現在でも、あたらしいインジケータやEAはMT4向けに開発されているものがほとんどで、MT5向けのものはあまり数が多くないのが実情です。
どうしても自分のトレードスタイルと切り離せないインジケーターやEAをMT4で使っている場合は、移行に十分気をつけてください。

MT5には使用料がかかる?

MT5は基本的に、どのFX業者でも無料で利用することができます。
FX取引では口座開設や取引手数料などもないので、かかるコストはスプレッドのみと考えておけば問題ありません。
また、OANDA JAPANやフィリップ証券ではMT5のデモトレードも用意しています。
こちらも無料で利用することができるので、興味のある人はぜひためしてみてください。
どんなPCでも使うことができる?

MT5は64bit向けに開発されたツールなので、そのパワーを十分に活かすには64bitのPCで利用するのがおすすめです。
32bitのPCではうまく作動しなかったり、取引中に停止してしまうおそれもあるので気をつけてください。
また、MT5はWindowsでの利用を想定しているので、基本的にMacでそのまま使用することはできません。
自動売買を行うのであれば、Windows搭載のVPS(仮想専用サーバー)から利用することをおすすめします。
なお、今回紹介したMT5業者はすべて、iPhoneやiPad、Androidのスマホやタブレットからでも専用アプリなどで取引することができます。
外出先からでも気軽に操作できるので、ぜひためしてみてください。
海外FXの方がMT5業者が多くて選びやすい?

海外FXでは、ほとんどの業者が取引プラットフォームをMT4としています。
しかし、MT5についてはまだ導入しているところはそれほど多くなく、現時点では20社程度にとどまっています。
もちろん、国内にくらべると選択肢は多くなりますが、海外FXには安全性や信頼性に欠ける業者も多く、経営破綻や出金トラブルに遭った際に法的な対処をすることもむずかしくなってしまいます。
その点、国内業者ならかならず金融庁に登録されているので、安全に取引するためにも今回紹介した3社から選ぶことをおすすめします。
まとめ

ここまで、「国内のMT5業者の選び方」についてまとめてきました。
MT5は世界標準の取引プラットフォーム「MT4」の後継ツールとして2010年に開発され、その機能や性能は前バージョンを大きく上回っています。
しかし、MT4があまりに世界中に普及しすぎてしまったこともあり、現在ツールとして導入している業者は少なく、国内ではわずか3社のみの提供となっています。
しかしながら、開発元のメタクォーツ社はすでにMT4の開発終了を宣言、今後はMT5への移行を強く推奨していく方針で、近い将来に取引プラットフォームの中心となっていくことは間違いないでしょう。
今はまだMT4を使っている人も、またMT4には一度も触れたことがないという人も、ぜひ今のうちから使い慣れて有利に取引を進めていくことをおすすめします!
