今回は、「TECL」について詳しくまとめていきます。
TECLとは近年、その大幅な価格上昇によってトレーダーの注目を集めている、アメリカのレバレッジ型ETFのことです。
その上昇ぶりは凄まじく、2020年の1年間だけでも価格が実に+150%以上にまで伸びています。
しかし、ETFといってもあまり聞き慣れない方も多いですよね?
そこで、この記事ではTCELの特徴・メリットから、過去のチャート分析、さらにそれを元にした今後の見通しや、おすすめの証券会社までを徹底的に紹介していきたいと思います!
- TCELはIT企業株で構成された海外ETF
- レバレッジで株価の変動率の3倍を目指す
- 運用開始から13年間で167倍以上の価格上昇
- 変動が激しく下落幅も大きくなるので注意
- 短期取引で値上がり益を狙うのに向いている
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TECLとは?

TECLは、アメリカのDirexion Investments社が運用するETFで、正式名称を「Direxionデイリーテクノロジー株ブル3倍ETF」といいます。
ETF(Exchange Traded Fund)とは「上場投資信託」を意味し、個人投資家が取引所で自由に売買できる投資信託のことを指します。
そのなかでも、TECLは「テクノロジー・セレクト・セクター指数(IXTTR)」を目安とし、その3倍の変動率を目指して運用される銘柄です。
IXTTRには、AppleやMicrosoftを始めとした、コンピュータや周辺機器、通信サービス、半導体関などを扱う、代表的なIT企業の株式が含まれています。
7月6日現在で1口あたりの基準価額は52.65ドル、資産総額は18億2400万ドルとなっています。
TECLの特徴
TECLには、金融商品として一体どのような特徴があるのでしょうか?
おもなポイントとなるのは、以下の4点です。
- 強気相場ではより上昇しやすい
- 変動率が大きくハイリターンを狙える
- 運用コストとなる経費率はやや高め
- 配当金はほとんど期待できない
強気相場で上昇しやすい

TECLは、今後も成長が見込めるいわゆる「グロース株」によって構成されています。
そのため、株式市場全体が好調なときには、より期待値が高まってそれ以上の上昇を見せやすくなります。
ちなみに、このような強気相場のことを、雄牛が角を下から上へ突き上げる様子にたとえ「ブル(Bull)」といい、それがTECLの正式名称「Direxionデイリーテクノロジー株ブル3倍ETF」にも含まれています。
ただし、弱気相場のときは逆に大きく下落しやすくなるので、その点には注意が必要です。
また、グロース株は益回りが低く割高なため、米国10年債利回りなどが上昇すると債権に流れ、売られやすくなる傾向もあります。
値動きが激しい

TCELは3倍のレバレッジがかかっているため、ボラティリティ(価格の変動率)がとても大きくなります。
たとえば直近1年間を見ても、2020年7月15日から2021年7月まで、実に237%以上もの上昇を見せました。
現在は、米国株全体での下落を受けて上昇率も低くなっていますが、過去の実績から高いポテンシャルを秘めている銘柄と言えるでしょう。
つまり、もし1年前に100万円分を保有していたとすると、137万円以上のハイリターンが得られていたことになります。
ただし、それだけ値動きが激しいということは、逆に下落の際にも大きなマイナスとなることを忘れないでください。
現に、コロナショックの際にはわずか1ヵ月程度で-75%以上の下落と、短期間で大きく落ち込んでいます。
また、3倍となるのはあくまで1日の変動率であって、単純にIXTTRの3倍の価格になるわけではないことにも気をつけてください。
たとえば以下の推移のように、IXTTRが上がったり下がったりして横ばいが続くと、TECLはトータルで下落していくことになります。
IXTTR:7000ドル
→7350(+5%)→6615(-10%)→7011.9(+6%)
TECL:60ドル
→69(+15%)→48.3(-30%)→56.994(+18%)
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経費率が高め

ETFの運用には、信託報酬を始め様々な経費がかかっています。
これらのコストが総資産額に対してどれだけの割合あるかを示したのが経費率で、それを日割りした分が基準価額に反映されています。
この経費率が、TCELは現在0.95%とかなり高い水準となっています。
ただし、経費率が高めなのはレバレッジ型ETF全般にいえることで、その意味ではTCELが特別コストが高いというわけではありません。
むしろ、国内ETFと比べればかなり安い設定となっています。
また、レバレッジ型ETFの場合、このコストを補って余りあるハイリターンが得られるので、そこまで気にする必要はないともいえます。
分配金は期待できない

ETFにも投資信託と同じように、分配金のある銘柄があります。
ただし、TECLの分配金利回りは0.1%を大きく下回り、直近ではその金額はゼロとなっています。
TECLの運用では、基本的に分配金はないものと考えておいた方がよいでしょう。
この点も、3倍レバレッジならそれ以上の大きな値上がり益を期待できるので、やはりあまり気にする必要はないでしょう。
TECLのこれまでの株価推移・チャート
ここからは、これまでTECLの価格がどのような推移をしてきたのか解説していきます。
何がきっかけで上昇・下落するのか、今後の参考にしてみてください。
【2009〜2012年】運用開始から緩やかに上昇

TECLはリーマンショック直後の2008年12月17日、0.36ドルからその運用が始まりました。
最初の4ヵ月間は大きな変化もなく推移していきますが、2009年5月4日に0.5ドル台に達すると、その後も順調に上昇、11月11日には1.0ドル台を突破します。
それからしばらくは上下を繰り返し、2010年8月末には一時0.6ドル台まで落ち込みますが、そこから再び上昇に入り、2011年2月8日には史上最高値となる1.42ドルを記録します。
その後は、しばらく0.7〜1.2ドル台を横ばいで推移していきますが、2012年に入ると安定的に1ドル台前半を推移するようになります。
この年はiPhoneの販売台数が前年から73%アップと大幅に伸びた年でもあり、それが下支えの一因ともなっています。
【2013〜2015年】チャイナショックによる急落

2013年以降は再び右肩上がりで価格を伸ばし、11月13日には初の2.0ドル台に達します。
さらに、2014年5月22日には2.5ドル台、7月16日には3.0ドル台を次々と突破。
2015年前半も3ドル台半ば以降の高水準で推移し、5月21日にはついに4.0ドル台を記録することとなります。
2015年はiPhone6・6Sが好調で売上が大幅アップ、さらにMicrosoftもWindows10の無償アップグレードを開始するなど、その業績が値上がりにも反映されています。
ところが2015年8月半ばには、上海株の大暴落が引き金となったいわゆる「チャイナ・ショック」によって、全世界同時株安となる事態が起きてしまいます。
その影響でTECLも急落、8月19日の3.59ドルからわずか4日で2.55ドルまで1ドル以上も落ち込んでしまいます。
しかし、その後は価格も持ち直し、年末までに3ドル台後半で推移することとなります。
【2016〜2018年】世界同時株安による乱高下
2016年は取引初日から中国市場が急落、導入されたばかりのサーキットブレーカー制度によって取引停止となってしまいます。
その影響でTECLも急落、1月下旬までに2.7ドル台にまで落ち込んでしまいます。
しかし、3月以降は持ち直し、その後は大きく上下を繰り返しながらも、3.5ドル台前後を維持しながら推移していきます。
7月以降からは再び価格を伸ばし、8月5日に初めて4.5ドル台を突破すると、そのまま年末まで4ドル台後半を維持していきます。
翌2017年はさらに加速度的に上昇、年初の5ドル台から史上最高値を更新し続け、10月27日には初の10ドル台を突破します。
2018年には、Appleが前年発売のiPhone8・8 Plus・Xで大幅に売上アップ、Microsoftも初めて売上が1,000億ドルを超えるなど、両社ともに絶好調となります。
一方、この年はアメリカの長期金利が上昇し、2月と10月にテクノロジー株が大きく落ち込むことがありました。
その影響で、TECLも2月はわずか数日で3ドル近い急落、10月は年末までに何と10ドル以上も大きく値を落としてしまうこととなります。
このように、2018年はこれまでにない急激な乱高下を繰り返す年となりました。
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【2019〜2021年】コロナショックからの回復

2019年はMicrosoftが大きく売上を伸ばし、初の1200億ドル台を突破しました。
その影響もあって、TECLも5月には16ドル台まで回復、7月には初めて18ドル台を突破し、11月までに20ドル台まで上昇することとなります。
2020年もそのまま順調に値上がりし、2月19日には史上最高値となる33.38ドルを記録します。
しかし、この頃から新型コロナの感染が世界的に拡大、その影響でTECLも翌日から急落し、3月23日には10ドルを割って一気に8.31ドルまで落ち込んでしまいます。
しかし、その後はステイホームやリモートワークなどの推奨による、いわゆる「巣ごもり需要」で急回復、9月2日には初の40ドル台を突破することとなります。
9月に入ると再び20ドル台半ばまで急落しますが、これは利益確定など急伸の反動によるもので、テクノロジー株そのものの勢いが衰えたわけではありません。
その証拠に、年末から2021年初頭にかけては再び急上昇となり、2月12日に史上最高値となる48.27ドルを記録します。
その後も大きく上下を繰り返しつつ、4月には50ドル台、7月には60ドル台と、現在に至るまでかつてないほどの勢いで史上最高値を更新し続けています。
【2022〜2023年】米金利上昇により停滞も回復

2021年12月には約90ドルを推移していたTECLですが、2023年9月現在は50ドル付近まで大幅下落をしました。
2022年からは、アメリカの早期利上げが実施されましたが、インフレ懸念や景気回復の鈍化が金融市場に大きな影響を与えています。
特に2022年4月から5月は金融市場全体で混乱が起きており、TECLはその影響を強く受けたと言えるでしょう。
2022年10月には10ドル台まで価格を下げました。
その後、2023年初旬は停滞しますが、現在は生成AIブームによるテック企業の株価上昇に連動してTECLも上昇中です。
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TECLの今後の予想・見通し
ここまでの分析を元に、今後のTECLの見通しについて述べていきます。
おもなポイントとなるのは、以下の3点です。
- ワクチン接種による世界経済の回復
- アメリカの長期金利は大きく上昇せず?
- ますます高まるITセクター成長への期待
TECLの予想①:コロナからの経済活動再開

2020年は新型コロナ感染対策による規制などで、世界中のほとんどの国がマイナス成長を記録しました。
しかし、2021年は欧米を中心にワクチン接種が大きく進み、それを背景に景気も回復しつつあります。
IMFも世界の年間成長率を6.0%と高い水準で予測し、このことがグロース株で構成されるTECLには好影響をもたらすと考えられます。
ただし、ワクチン接種をいち早く進めてきたイギリスで再び感染拡大が見られるなど、実際に2019年以前の経済活動に戻せるかは、いまだ予断を許さない状況にあります。
いずれにしても、TECLを構成するIT企業はパンデミック下でも大きく業績を伸ばしてきた実力があり、仮に規制解除が進まなかったとしても、それが大きなマイナスとなることはないでしょう。
TECLの予想②:米長期金利の上昇は継続か

アメリカでは2020年の新型コロナによる影響で、長期金利(10年国債利回り)が一時1%を割るまで低下していました。
しかし、8月頃から上昇に転じると、その傾向は年明け以降も続き、3月末には1.7%台まで回復することとなります。
その理由としては、バイデン政権による積極的な財政出動や、それに伴う景気回復などが挙げられます。
しかし、それをピークに再び長期金利は低下、7月には2月以来となる1.29%台まで下がってしまいます。
アメリカではインフレ率も上昇しているため、通常であれば長期金利も上昇するはずですが、そのインフレを警戒した市場が、増えた資産をより安定的な債権に回したのだと考えられます。
このように、金利低下はあくまで市場の思惑による部分が大きかったため、その後は再び反発の動きも見られていますが、春先の勢いのまま2%台を突破するということは、しばらくはなくなったと見てよさそうです。
このことは、グロース株で構成されたTECLにとって好材料となるでしょう。
TECLの予想③:ITセクターの成長への期待

TECLの対象銘柄となっているITセクターには、今後もさらなる成長が期待されています。
その傾向はむしろ加速する一方で、6月のAppleとMicrosoftを含むハイテク大手5社、いわゆる「GAFAM」の合計の時価総額は、月初めから実に1兆ドル以上も伸びているといいます。
アメリカ経済にこれ以上の急成長が見込めないなか、パンデミック下でも景気に左右されず強さを見せてきたテクノロジー株への期待が、改めて高まっているということのようです。
4-6月期の決算発表では、AppleとMicrosoftのいずれも増収率が2桁台となる見込みで、TECLにもまだまだ価格上昇を期待できそうです。
TECLを取引できる証券会社
実際にTECLを取引する際には、どの証券会社のサービスを利用すればよいのでしょうか?
ここでは、特におすすめの2社について紹介するので、ぜひそちらから選んでみてください。
IG証券

おすすめ度 | |
---|---|
使いやすさ | A |
安全性 | A+ |
取引方法 | CFD(差金決済取引) |
最小取引単位 | 1口 |
取引手数料 | 2.20セント/1株 |
TCELを取引するなら、IG証券のCFD取引サービスが最もおすすめです。
CFD取引ではFX同様、証拠金による取引が可能となるため、少額資金からでも始めやすくなっています。
IG証券ではTCEL以外にも、1万7,000種類以上ものETF銘柄を取り揃えているので、かなり幅広い戦略を取ることも可能です。
取引ツールも扱いやすく、初心者向けコンテンツも充実しているので、初めての方でもすんなり取引に入っていくことができるでしょう。
デモトレードも無料で利用できるので、気になる人はぜひそちらから試してみてください!
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マネックス証券

おすすめ度 | |
---|---|
使いやすさ | A- |
安全性 | A |
取引方法 | 現物取引 |
最小取引単位 | 1口 |
取引手数料 | 取引毎手数料:110円〜/一日定額手数料:550円〜 |
マネックス証券では、現物によるTECLの取引を行うことができます。
取引手数料には、1注文ごとの「取引毎手数料」と、1日ごとの「一日定額手数料」があり、トレードスタイルによって使い分けることができます。
マネックス証券では、他にも4,000種類の銘柄を取り揃え、一覧表やランキングなどで初心者にも分かりやすく選べるようになっています。
アメリカETFの9銘柄のみ買付手数料が全額キャッシュバックで実質無料となる「USAプログラム」など、ユニークなキャンペーンも提供しているので、気になる人はぜひ試してみて下さい!
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TECLを取引する際のQ&A
TECLの取引について、よくある質問をまとめてみました。
実際に投資を始める前に、気になる点があればチェックしてみてください。
TECLを構成する銘柄は?

TECLは、ベンチマークインデックスの「IXTTR」に含まれる約70種類のテクノロジー株によって構成されています。
なかでも重要となる上位10銘柄は、以下の通りです。
銘柄 | 比率 |
アップル(AAPL) | 16.04% |
マイクロソフト(MSFT) | 15.89% |
エヌビディア(NVDA) | 2.37% |
ビザ(V) | 2.77% |
ペイパル・ホールディングス(PYPL) | 2.37% |
マスターカード(MA) | 2.32% |
アドビ・システムズ(ADBE) | 1.93% |
インテル(INTC) | 1.58% |
セールスフォース・ドットコム(CRM) | 1.56% |
シスコ・システムズ(CSCO) | 1.62% |
(2023年8月時点)
比率を見ると分かるように、TECLの30%近くはAppleとMicrosoftが占めていることになります。
したがって、株価を見る際には、特にこの2社の動きを重点的にチェックしていくようにしましょう。
なお、構成銘柄は変更されることもあるので、気になる人はそちらも常に確認しておいてください。
TECLはいくらから購入できる?
2023年7月現在、TECLの基準価額は52.65ドルとなっています。
つまり、1米ドル=130円として、1口あたり約7,000円程度あれば取引することができることになります。
なお、TECLは2021年3月3日に株式分割で1株を10株に分けたたため、このように扱いやすい価格となりました。
また、IG証券のCFD取引を利用すれば、30%の維持証拠金率でも取引できるので、さらに少額の2,000円程度からでも始めることができます。
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おすすめの投資方法は?

ETFは投資信託なので、長期運用を考えている人も多いかもしれません。
しかし、ここまで紹介したように、レバレッジ型ETFはボラティリティがとても大きく、かなりのハイリスク・ハイリターンとなります。
コロナショックのように短期間で価格が4分の1まで下落するようなケースもありえるので、それを耐え抜くには相当の資金力や精神力が必要となっくるでしょう。
したがって、TECLでは基本的に短期取引で、値上がり益を狙いながら売買していくのがおすめです。
ただし、長期的に価格が上昇しやすいのも確かなので、余剰資金がある人は下落のタイミングで買い増しながら、長期保有していくのもよいかもしれません。
TECLまとめ

ここまで、「TECL」についてまとめてきました。
TCELはITセクターを対象としたETF(上場投資信託)で、コロナの影響で世界同時株安となった2020年でも、+150%以上とその価格を飛躍的に伸ばしています。
テクノロジー株の需要はまだまだ高く、レバレッジ型の商品でもあることから、TECLは今後も短期間でかなりのハイリターンを期待することができるでしょう。
ただし、下落幅も大きくなりやすいので、そのリスクには十分に注意が必要です。
IG証券なら証拠金取引による少額投資も可能で、初心者にも取り扱いやすいサービスとなっているので、運用を考えている人はぜひ口座開設してみてください!
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