今回は、「ユーロ円の見通し」についてくわしくまとめていきます。
ユーロはEU加盟国のうち19ヵ国で利用されている通貨で、世界の為替市場では米ドルに次いで多い取引量となっています。
流通しはじめてからまだ20年程度と歴史は浅いものの、すでに米ドルの代替通貨としての役割も果たしつつあります。
2020年はヨーロッパ全土が新型コロナの影響を受け、ユーロ円も一時的に価格を下げましたが、現在は順調に回復して上昇トレンドに入っています。
ここでは、そんなユーロ円について、これまでの価格推移や予想のポイント、さらに今後の見通しについても解説していきたいと思います。
- ユーロ圏ではドイツの経済指標に注目
- 米ドルとユーロの関係にも注意
- ユーロ高への市場介入は可能性が低い
- メルケル首相の退任が影響するかどうか
- ユーロ円は2023年5月現在は上昇トレンド相場形成中
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Contents
ユーロ円のこれまでの価格推移
まずは、これまでユーロ円がどのような価格推移をたどってきたのか見ていきましょう。
ターニングポイントとなる出来事と合わせて、解説していきます。
【1999〜2008年】通貨導入から順調なスタート

ユーロは、1999年にEU加盟国のうち11ヵ国で導入がはじまりました。

ユーロ円の為替相場を見ていくと、当初は130円台だった価格もその後は下落がつづき、2000年10月には終値が史上最安値となる90.95円まで落ち込んでしまいます。
この下落によって、ユーロに対する不安感も高まっていきました。

しかし、ユーロ圏の堅調な経済によって2002年からふたたび上昇、2005年ごろには利上げへの期待もあいまって、2008年7月にはついに終値が史上最高値となる169.01円を記録します。
【2008〜2012年】リーマンショックとギリシャ危機

2000年代のユーロ円は、長期的な上昇を順調につづけていました。

しかし、2008年9月に世界規模の金融危機となるリーマンショックが起こり、わずか1ヵ月程度で160円台から120円台まで急落してしまいます。

さらに、2009年にはギリシャの財政赤字隠蔽があきらかとなり、いわゆる「ギリシャ危機」の影響で、2010年6月には110円台を割り込むまで下落します。
その後も、スペイン、ポルトガルなどの財政破綻が懸念された「欧州ソブリン危機」などがあり、2012年6月にはとうとう10年ぶりとなる90円台に突入してしまいます。
【2012〜2019】円安誘導からブレグジットによる下落

2012年12月には、日本で発足した安倍政権によって金融緩和などの円安誘導が行われます。

その影響で、ユーロ円もふたたびユーロ高へと転換、2013〜2015年までは130〜140円台を安定して推移するようになります。

しかし、イギリスでEU離脱を問う国民投票が行われることが2016年2月に発表されると下落、6月の投票で賛成多数となったときには110円台まで落ち込んでしまいました。
その後は、離脱交渉がなかなかまとまらなかったこともあり、2017年半ばには130円台まで回復しますが、米中貿易摩擦などの不安によるリスク回避もあって円高がつづき、2019年8月には110円台まで下落してしまいます。
【2020年1〜5月】新型コロナ感染拡大による影響

2020年のユーロ円は、年間を通じて新型コロナ感染拡大に大きく影響されました。
前年11月には120円台まで回復していた為替相場ですが、イギリスとのFTA(自由貿易協定)交渉が進展しなかったこともあり、しばらくはそのまま停滞気味に推移します。

しかし、新型コロナの感染が欧米で拡大していくと、ユーロ円も大きく下落、5月6日には115円台を割るまで落ち込んでしまいます。
【2020年6〜12月】経済政策による景気回復

6月に入るとコロナの感染者数も大きく減少、各国でさまざまな経済対策が打たれたこともあり、ユーロ円はふたたび120円台まで回復します。

7月21日には、総額7,500億ユーロ(約95兆円)規模となるコロナ復興基金の設立がEUで合意にいたり、120円台なかばまで価格を引き上げました。
さらに、11月にはアメリカの大統領選挙でバイデン候補が勝利、ファイザー社が新型コロナのワクチン開発に成功したこともあり、NYダウ平均株価が史上初の3万ドル台を突破します。
これを受け、為替相場ではリスクオンでドル売りが進み、ユーロ円は上昇トレンドに入ることとなります。
【2021年】新型コロナ変異種の懸念で下落

2021年の相場は、新型コロナの変異種問題が大きく影響しました。
収束に期待が持たれていましたが、ヨーロッパ全土での感染再拡大により、ユーロの売りが加速した状態です。

一時は133円までの高値を付けましたが、2021年12月には127円台まで急落をする結果となりました。
しかしその後は、順調に回復をして2022年1月時点では128円台まで回復している状態です。
ロシアによるウクライナへの軍事侵攻を受けて下落

2022年2月には、ロシアがウクライナへの軍事侵攻を実行しました。

当時のユーロ円相場を見ても、そのような情勢悪化が懸念されて大きな下落を決めている事が分かります。
また、ロシアとウクライナの対立は、欧州が中心となるNATOへの加盟を巡って起きた動きでもあります。
ECBの利上げと円安による高騰

2022年に入ってからは、円安の影響が多くの通貨に影響を与えます。

ユーロ円相場も例外ではなく、円に対して相対的にユーロが買われる結果となりました。
また、長年の間低金利政策を実施していたECBは、2022年7月に利上げを実施しています。
2022年9月,10月には日銀が為替介入をしたことで大きく下落しましたが、効果は限定的ですぐに上昇過程に価格を戻してきました。
円高による停滞も経済好転期待により急騰

2023年前半は円安が落ち着き、停滞気味に推移しています。

2023年5月現在は150円台の高値更新に迫る勢いです。
日本円との金利差拡大による円安も影響して、大きく上昇を見せている状況です。
まだトレンド過程にありますが、今後は金利動向次第で相場転換も充分ありえます。
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ユーロ円の見通し・予想のポイント
ユーロ円は、さまざな経済・政治的要素によって価格が変動していきます。
そのなかでも、特に見通しや予想を立てるさいにかならずチェックしておくべきポイントとなるのが以下の5点です。
- ドイツの経済指標
- ユーロ圏の経済指標
- EUの離脱問題
- EU主要国の政治状況
- アメリカの経済状況
- ロシア・ウクライナ情勢
ドイツの経済指標

ユーロ圏の経常・貿易収支はともに大幅な黒字となっています。
しかし、実はその黒字の7割以上を占めているのはドイツで、それ以外の加盟国は多くが赤字となっています。
したがって、ユーロ円の相場を予想する際には、まずドイツの経済指標に注目しておく必要があります。
なかでも、チェックしておくべき重要経済指標は、GDPや貿易収支、失業率などです。
また、2022年9月には天然ガス高騰によるドイツ経済の後退を受けて、約9兆円の大幅な支援策が打ち出されています。
ドイツの重要経済指標はかならずチェックしておこう!
ユーロ圏の経済指標

ユーロ圏全体の経済状況も、もちろん押さえていく必要があります。
なかでも、GDPとECB(欧州中央銀行)の政策金利の発表はかならずチェックしておきましょう。
EUでは2016年3月以来、長きにわたってゼロ金利政策を続けていますが、2022年7月に利上げを実施しており、今後も段階的に引き上げられる可能性が高いと言われています。
また、ヨーロッパでは失業率の高さも慢性的な問題となっているので、雇用関連の経済指標にも注意しておきましょう。
ドイツ以外の経済指標は、それほど相場を左右することはありませんが、ギリシャ危機のように一国の財政赤字が下落の引き金となることもあります。
ほかにも、ポルトガル、イタリア、アイルランド、スペインなどの財政赤字をかかえる国については、財政収支(対GDP比)などの指標にも目を向けておくとよいでしょう。
ただし、利上げに関しては当局でも意見が分かれており、EU経済を後退させると懸念の声も多いことから、経済に関する続報は注意してみていきましょう。
ECBが利上げに踏みきるタイミングに気をつけよう!
EUの離脱問題

2016年6月に行われた国民投票によって、イギリスのEU離脱が決まりました。
その後、FTA交渉などは難航したものの、2020年末をもってとどこおりなく離脱は完了しています。
とりあえず両者の関係がこじれるようなことはなかったため、今のところ大きなマイナスとはなっていませんが、今後の関係性がどうなっていくかにも注意が必要です。
また、離脱したイギリスにとって状況が有利に運んでいけば、ほかにもEUに不満をかかえている加盟国が、連鎖的に離脱へとなだれ込んでいく危険性もあります。
特に、フランスやスペインでは離脱派の政治勢力も強いため、選挙結果などにも注目していく必要があります。
EU加盟国内の離脱派の動きにも注目しておこう!
EU主要国の政治状況

ユーロの動向では、EU主要国の政治状況が大きく影響します。
2021年12月には、ドイツで16年物長期政権を築いたメルケル首相が退陣をしました。
また、2021年にはイタリアの首相に前中銀総裁のドラギ氏が就任しており、その手腕に期待が集まっていました。
しかし、2022年の7月下旬に辞任が発表されました。
重要な閣議が内閣での反発となり、連立政権の崩壊が辞任に至ったとされています。
EUの国はイタリアやドイツのように裕福な国ばかりではありません。
金融危機を経験したギリシャのような貧しい国もあります。
これらのことから、EU経済の情勢や政治は通貨の売買に大きな影響を与えるので、政治の情報もキャッチしておきましょう。
ドイツ、イタリアの新政権が倒れれば、EUの危機となる可能性も…
アメリカの経済状況

ユーロは米ドルとの取引がとても多く、すべての通貨ペアのうち、実に4分の1程度の取引量をユーロ米ドルが占めています。
そのため、米ドルとユーロはどちらかが上がればどちらかが下がるというように、価格が連動しやすくなっています。
ユーロ円を運用するさいには、アメリカの政策金利や雇用統計などの重要経済指標にもかならず目を通しておくようにしましょう。
また、「リスクオンのドル売り」といって、アメリカの平均株価が上昇するとほかのリスクの高い新興国通貨にも資金が流れやすくなる、つまりドル安になりやすいという特徴もあります。
2022年3月には、FOMCでアメリカが段階的な利上げに踏み切った事で、米ドル高の相場が続いています。
世界的にドル高水準が続いており、リスクオフの流れでユーロが売られる可能性も充分に考えられます。
ユーロの売買にも直接的に影響をしてくると考えられているので、今後の動向には注目しておきましょう。
アメリカの政策金利や雇用統計もユーロ円に影響する!
ロシア・ウクライナの衝突問題

2022年には、ロシアのウクライナの衝突が度々ニュースになっています。
アメリカやEUのような主要国では、ロシアに反発する姿勢を見せていますが、この流れははEUにとって懸念が大きい事項であると言えるでしょう。
ロシアはEUにとって、石油・天然ガスといったエネルギー資源の最大供給国です。
ロシア側がEUの姿勢に対して反発をしており、情勢が悪化すればEUへの資源供給が止められる可能性があります。
2023年5月現在もまだロシア・ウクライナ情勢は収まっておらず、依然として緊張が続いている現状です。
ロシア政府の声明やウクライナ情勢へ関心を向けよう!
【2023年】ユーロ円の今後の見通し
ここまでのポイントをふまえて、2023年のユーロ円はどのような動きとなるのでしょうか。
ここからは、その見通しについてくわしく解説していきます。
見通し①:ユーロ高への市場介入は可能性が低い

ユーロ円は、2021年1月なかばから上昇をつづけています。
過剰なユーロ高はインフレ抑制や輸出減少にもつながりかねないため、ECB(欧州中央銀行)は昨年から何度も市場介入を匂わす牽制をくり返しています。
現在のゼロ金利からさらなる利下げも可能との言及もありますが、今のところ実行される気配はありません。
2008年の史上最高値となる169円台に達した際にも市場介入は行われなかったことから、おそらく今回も口先介入のみで終わるだろうと思われます。
しかし、ユーロ高は今後もつづいていく可能性が十分にあるといえそうです。
見通し②:ドイツの新首相に対する不安

EUのリーダー的存在として、16年間にわたりドイツ首相をつとめてきたメルケル氏ですが、任期満了となる2021年で退任しています。
その後任として、2018年末にクランプカレンバウアー氏が与党キリスト教民主同盟(CDU)党首に選ばれましたが、党内での求心力をうしない2020年2月に辞任表明、2021年1月16日にあらためてラシェット氏が新党首として選ばれました。
しかし、その後すぐに退任する事態となり、結果的には社会民主党政権オラフ・ショルツ氏による新政権が発足されたのです。
久々の社会民主党政権のため、その手腕には期待がありますが、長期政権の終了による懸念も多いです。
また、イタリアでもドラギ首相の辞任が決まり、メロー二氏が次期首相に決まっています。
見通し③ユーロの段階的利上げ

長期的な低金利を据え置きしていたユーロですが、2022年7月に0.25%の利上げを実施しました。
段階的な利上げの実施は、初動こそ通貨の買い圧力に繋がりやすいものです。
しかし、利上げの終わりが見え始めれば、徐々に買い圧力も減ってくる傾向にあります。
直近相場だけで見ると、今後ユーロ高になる可能性も高いと言われています。
ユーロ円の価格予想
ここで、大手証券会社がユーロ円についてどのような価格予想を行っているかを見てみましょう。
プロの意見を参考にして、ぜひ自分自身の予想にも活かしてみてください。
野村證券の価格予想

野村證券では、2023年前半のユーロの動きを以下のように見ています。
ECBのタカ派傾向から、ユーロの買い圧力が高まる見通し。
22年後半内には利上げの可能性が出てきたことや、円安の影響もあり対円相場では上昇の可能性が高いとの予想です。
こうした分析をもとに、野村證券では2023年3月のユーロ円相場の予想を144円としています。
三菱UFJグループの価格予想

三菱UFJグループでは、ユーロの動きを以下のように見ています。
年初に増加した新型コロナウイルスの感染者数は、2月に伸びが鈍化。
また、コロナワクチン接種が進展するにつれ、景気回復期待が支えとなり、年前半のユーロ相場は好調でした。
後半は物価上昇はユーロの重石となりましたが、ユーロ圏の経済活動再開期待の高まりを手掛かりがきっかけで上昇を決めています。
2022年は消費者マインドの回復を支えに、景気回復を後押しするとしています。
また、GDP成長率でも見ても全年比++4.3%と底の堅い回復をするとの予想です。
ただし、欧米での新型コロナの感染拡大がおさまらないと、リスクオフで円高や米ドル高になり、ユーロ安をまねくリスクもあるとしています。
また、物価上昇やロシア情勢に関する話題は懸念としており、情勢の悪化次第ではユーロの景気回復を鈍化させる可能性があるともしています。
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ユーロ円の買い時

2021年1月半ばからユーロ円は長期的な上昇トレンドに入り、一度は下落しましたが2023年2月現在では140円台まで上昇を決めています。
これは、ユーロの買いというよりも、円安の影響が強く、今後も対円相場でどのような動きになるかが注目されます。
ロシアとウクライナの情勢や、アメリカの金利動向には注目しておきましょう。
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ユーロ円の見通しまとめ

ここまで、「ユーロ円の見通し」についてまとめてきました。
ユーロ円は、2021年から長期的な上昇トレンドに入っています。
2020年も、春先こそ新型コロナの影響で下落したものの、早い段階で回復をとげ、秋口からの感染再拡大でも目立った下落は起きていません。
今後はワクチン接種も進み、経済活動再開でますます上昇していく可能性が高くなっていくでしょう。
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